コラム・レポート

パンの交流が発展して、すし屋に、店主のウンチクに感心(5)

パンの交流が発展して、すし屋に、店主のウンチクに感心(5)このお店が「ワルン・ロティ」で、洗足図書館の隣にあります。

【ayaのパン流浪記】今回はちょっと趣きを変えて、パンつながりでお寿司を食べに行った話をしてみたいと思います。東京・洗足のパン屋さん、「ワルン・ロティ」(目黒区洗足2-8-27、03-5704-2105)のパン教室に参加しました。店の常連、近所の方々がほとんどだったようですが、中には私のような「独り参加」もいました。

基本的にパン好きで、しかもその店のパンが好きなのですから、話が合わないはずがありません。いま、一緒に食事に行く仲間で、パンつながりって意外に多かったりしています。「どうして」と思ったかもしれませんが、ワイン好きの方が試飲会で仲良くなるような、そんなイメージでとらえてください。


先日、その会を通して知り合った方と本郷にある「喜鮨(きずし)」(文京区本郷6-17-2、03-3811-5934)という寿司屋さんに行きました。パン好きだからと言ってご飯も食べるんすよ、年に片手で数えられるほどですが。ちなみにその時は2008年で4回目でしたので、少しハイペースでお米を食べているかもしれません。

さて、その店は2008年に60周年を迎える老舗です。戦後まもなく開店したことになりますね。街の復興や発展を目の当たりにして来た店の歴史の中では、ジャパンタイムスに取り上げられたこともあるようで、店の1階には当時の新聞記事が額に入れて飾ってあります。

少し黄ばんだその記事を見てみると、なんと銀座特集ではありませんか!外国人が描くマンガといった雰囲気の銀座のイラストマップが中心に大きく掲載されています。でも解説の文章の中には確かに「kizusi」の文字が・・・なんでも「マキシムよりもおいしい喜鮨に行こう」といった内容で紹介されたそうです。

「ワルン・ロティ」のパン教室で教わった「じゃがいもパン」は生地にマッシュポテトを練り込みます。

外国人(?)記者にマキシムより評価されたそのお味、堪能させていただきました。とにかく品数が多いので大食漢の私も大満足です。もちろん、量だけではなく質の面でも満足です。その味わいを一層深めるのはカウンターで繰り広げられる2代目「おやじ」山口喜久治(やまぐち・きくじ)さんのウンチク話を含めたパフォーマンスです。

常連の中には扉を開けてカウンターが満席だと帰ってしまう人もいるほどに来店客を魅了するその話芸には、多くの人が夢中になることでしょう。ネタはまさに「ネタ」で、主に素材の解説です。

平目の身が白い理由、全長40cmから50cmほどの大きなものでも、心臓は親指の先程の大きさであること、煮貝の上手な引き出し方、エビのうまみのもと、トリ貝の黒い色、次々と飛び出す「おやじ」の話には、実験が付いたり、魚の解体ショーが付いたりするので目が離せません。

これが「セレス竹割りバシ」で、お店には使用後に作られた炭も置いてあります。

私がハシを落としたことをきっかけに、面白いこと教えてもらいました。そのお店で使っている割りバシ、「セレス(CERES)竹割りバシ」といって、洞爺湖サミットでも使われるものなのです。

通常割りバシを作る工程で使用される防かび剤や漂白剤を一切使用せず、その安全性と環境配慮の姿勢が評価され、洞爺湖サミットの関係者用の食事に採用されました。また、使用後は燃やして炭にします。その炭に微生物を付けて食品廃棄物から作る堆肥に配合して土に戻すほか、水質浄化や消臭、除湿剤など幅広い用途で活用されているとのことです。

サミットの報道の中で、このハシについてなにか記者がコメントを述べたりすることがあるのかしらとテレビにかじりついてしまいました、おかげでサミット通です。このハシにはこんな使い方もあったのですね。

「おやじ」の話を一緒に聞いていると、カウンターに座ったお客の間に不思議な連帯感が漂い、見知らぬもの同士ながら自然と会話がはじまります。私も名刺交換などして、記念写真を送りあってしまいました。またひとつ、パンから輪が広がりました。パンって素敵な食べ物ですね(【ayaのパン流浪記】は首都圏で暮らすOLのayakoさんが不定期にパンを切り口にエッセイを書きます)。

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