コラム・レポート

レース終了後に、待っていたのは・・・(33)

レース終了後に、待っていたのは・・・(33)座席のHブロックからの光景。空席もあったようだが、ほぼ満席だった。改めて人気の高さを感じた。

【モータースポーツを拡げろ!】シャトルバスの渋滞をのろのろと進み、ゲートが見えて気分が高揚してきたのもつかの間、実はこのバスはいま見えた「西ゲート」ではなく、「東ゲート」からアクセスする降り場が指定されていたのだ。

そこからまたもや渋滞に入る。ゲート手前では、近隣でバスを停めて降車した観客の列が車列をふさぎ、しばし待たされる。坂をのぼりようやく降車場についたのは、通常50分のところ、乗車してから90分後であった。


外国人のF1ファンのカップル。フェラーリの走りがよく、追い上げると、楽しく盛り上がっていた。

ゲートへ向かう途中には、「スピードウェイプラザ」と名づけられた、イベント&物販エリアがあり、応援グッズなどの販売を行っていた。往年のマシン展示や普通乗用車とのパーツ比較、タイヤ交換のデモなどを行っていた「F1体感パビリオン」が人気を集めていた。

さて、困ったのは席の位置だ。場所はHブロック。300Rから急な減速をしてダンロップコーナーに飛び込むというレース的には見所ある場所だ。しかし、西ゲートにかなり近い。ということは、東ゲートでバスを降ろされた観客は、延々と逆サイドまで歩くことになった。指定席によって、バスの到着エリアを割り振るなどの工夫が必要かもしれない。

こうして筆者は13時過ぎに席につけた。御殿場駅に9時30分ころに集合し、そこから東富士駐車場を経て富士スピードウェイにたどり着いた時、国歌が流れ始めていた。結局、3時間弱もかかったことになる。それでも、レースのスタート前に席につけたのは幸運だったというべきかもしれない。スタート前にたどりつけなかった人もいたからだ。

レース後のゴミ箱の様子。客席周囲にもゴミが散乱していた。大イベントとなると、必ず見られる光景の1つだ。

スタンドはやや急だが、観戦するにはちょうどよい。場内用FMでラジオを通した中継のほか、各所に設置されたスピーカーで場内中継が放送され、また大型モニター(はっきり見るには小さかったが)も用意され、観戦スポット以外の状況も、かなりきちんと把握することができた。

レース後、ゴミはゴミ箱の周囲に山積みとなっていた。大規模イベントではやむをえないのかもしれないが、やはり淋しくなる光景だ。

最大の課題だったのはレース終了後の帰りのバスだろう。報道やインターネットでもあちこちで取り上げられたが、バスの乗り場の詳細案内がなく、係員に聞いてもわからない、東ゲートの駐車場は足元が舗装されてなく、続いた雨でかなりのぬかるみで、バスはなかなか来ないし、延々と待たされる、といった状況が続いた。

舗装されている西ゲートから乗車できた人は足元もきれいだったが、東ゲートに回された人たちは衣類が泥だらけになっていた。

東ゲートの帰りのバス乗り場へ向かう人込み。どの方面がどの列なのかさえ係員もわからず、客が適当に当たりをつけて並ばざるをえないため、誰もが何もわからない状態だった。この後、次第に暗くなり、足元はぬかるみで、警察官は「雨までは想定してなかったからね」と雨のせいにしていたのだが。

しかも、東ゲートでも方面によってバス会社を振り分けていたようなのだが、筆者が並んでいた「91番」はなかなかバスが来ないのに、その隣の「92番」は続々と来るので、列もどんどにん進む。他の会社のバスは待合所で休憩中、といったチグハグな光景が続く。

中には、自分の「役割」が終わり、客がいない空のバスを運転して早々と帰途につく運転手の姿も見られた。その間、こちらはバスがつかず、進まない列にイライラさせられていたのだが・・・。

大阪から観戦に来た男性は「もうこんなF1は来ない!」とはき捨てるように言っていた。沼津からの男性は「(旅行代理店が入っている)ツアーバスは舗装の駐車場で、(自家用車で来た)こっちは泥だらけ。何かがおかしい」と語っていた。同感の人も少なくないだろう。

筆者は2時間ほどで乗車できたが、4時間以上も待たされた人もいるとか。現場の係員もトランシーバーや携帯電話などがなく、状況が把握できず、適切に人をさばけない。客は係員に詰め寄って怒りをぶつける。警察官が止めに入るシーンもあった。その警察官の中にも「こんな状況じゃ、みなさんも怒るしかないよね」とえらく同情的な人もいたのは苦笑するしかない。

雨が根本の原因ではあるのだが、この課題は2008年のF1開催に向けて、きちんと解決してもらいたい。

駐車場へ戻ると、雨のためにぬかるみがひどくなっていた。筆者が止めた場所はそれほど土が露出するエリアが少なくなんとか出られたが、ぬかるみにタイヤがとられ、レッカー車を呼ぶシーンも。

当然、レースが見えない観客席など、すでに主催者側が認めている失態もあり、とにかく不手際が目立ったというのが30年ぶりのF1開催のてん末だ。1日のある一定の時間内に日本全国からおよそ15万人が集まる大イベントは日本ではほとんどない現状を考えると、シミュレーションにも限界があることは確かだろう。

しかし、ほとんどの観客はモータースポーツの最高峰を富士山のふもとで見るのに、ここまで苦労しないといけないのかと苦痛を感じたはずだ。どこに問題があったのかを徹底的に検証し、2008年には不要な労苦を観客にかけないような輸送計画の策定が望まれる【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
富士スピードウェイ

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