コラム・レポート

雨中の日本GP決勝で、日本勢は10位以下と苦戦(31)

雨中の日本GP決勝で、日本勢は10位以下と苦戦(31)トゥルーリ、シューマッハを激励するトヨタ社長の渡辺捷昭。

【モータースポーツを拡げろ!】富士スピードウェイのサーキットの路面へ、無情にも雨は降り続く。セーフティーカーが入っての走行は、通常のレースより、最高速が遅くなるが、それでもマシンが走る水しぶきがあちこちで高らかに上がっていた。

滑りやすいだけでなく見通しも劣悪で視界も狭くなる。唯一、先頭を走っていたマクラーレンのハミルトンだけが、予選トップという恩恵を受けていたのだ。


安定しないマシンに苦しみながらも母国の日本GPで完走した佐藤琢磨。

この途中で、予選4番手だったフェラーリのマッサがスピンするなど、アクシデントやピット入りするマシンも続出した。観客がじれる中、スタートして約40分後、20週目にようやくセーフティーカーが隊列を抜け、本格的なレースが始まった。

メインストレートのスタートラインをマシンが次々と走りぬけると、サーキットのあちこちで、観客から大きな拍手が起こった。「ようやくレースが見られる」という喜びだろう。

やはり、マクラーレンのハミルトン、そしてアロンソが速い。後続をしっかりと引き離していく。レース自体は雨の影響で、スピン、接触、コースアウトが続出した。世界トップレベルのドライビング技術を持っていても、コース状況と視界の悪さでは、しょうがないのだろう。

雨のレースの中を走るトゥルーリ。そのすぐ後ろにラルフ・シューマッハーのマシンが見える。

途中、軽い接触や、やや挙動が不安定になる場面も見られたが、今回の日本GPはドライバーズ選手権のポイントでトップを走るハミルトンの独壇場と言えるレースだった。トップでの周回が多かったというのも寄与したのだろうが、着実なマシン制御テクニックと雨でのマシンの性能がうまくマッチしたのだろう。ポイントでもレースでもハミルトンを追っていたアロンソは、42週目で単独スピンによるクラッシュでリタイアしてしまった。

今回での注目選手はルノーを操ったヘイキ・コバライネンだろう。ミスも少なく着実な走行で、前の脱落を尻目に2位を走行、追い上げるフェラーリのキミ・ライコネンの猛追も抑えて、見事に今シーズン初めての表彰台となった。

フロントエンジン破損などのトラブルに見舞われながらも完走したホンダのバトン。

翻って残念な結果になったのは、日本勢、日本人勢だ。ホンダのバリチェロが10位、11位にバトン、続く12位にはスパイカーの山本左近、13位にトヨタのトゥルーリと10位以下に沈んだ。スーパーアグリの佐藤琢磨は、22台中、完走車としては最終位の15位でゴールだった。好天だったフリー走行では好調だったトヨタも、雨ではマシンとの相性が合わなかったようだ。

残念ながら30年ぶりの富士でのF1決勝レースは、富士山も姿を見せなかった。霊峰の力が、日本勢に届かなかったのは、非常に残念だった。10月5日から始まった上海で行われる中国GPでの頑張りに期待したい。

それにしても、生のF1マシンのエンジン音は「すごい!」の一言だ。他では味わえない迫力だ。会場でも「やっぱり、この音はたまらないねえ」という声も聞かれた。モータースポーツの魅力はやはりサーキットにあり、なのだろう。 【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
富士スピードウェイ

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