コラム・レポート
雨の日本GP、先導車が20周も続く異例のスタート(30)
【モータースポーツを拡げろ!】9月30日日曜日、ついに30年ぶりに富士スピードウェイでF1が開催された。
前日の29日の予選も雨だったが、決勝もあいにくの雨模様だ。それもかなり降り続き、サーキットの路面は「ヘビーウェット」という、ひじょうに悪いコンディションだった。
当日は12時から出場する選手たちのドライバーズパレード、12時15分からは陸上自衛隊の中央音楽隊によるマーチングバンド演奏で、その後に航空自衛隊の「ブルーインパルス」による展示飛行が予定されていた。しかし、やはりあいにくの空模様のため、展示飛行は中止されてしまった。
さて、注目の国歌斉唱は、元「ルナシー(LUNA SEA)」の河村隆一(かわむら・りゅういち)さんだった。自分でも公式レースに出場しただけでなく、全日本スポーツカー耐久選手権に監督としてチームを出場させ、クラス優勝を果たすなど、モータースポーツには造詣が深く、主催者側から依頼をして実現した。落ち着いた声で歌い上げる「君が代」が、会場全体を包み込んだ。
いよいよスタートの13時30分。気温は17度、路面温度は22度とこの時期にしては寒かった。路面温度は大きくレースに影響する。F1などのレーシングタイヤは、表面のゴムが摩擦によって温められて、じわりと溶け出してくる。
これが路面をグリップする力となり、カーブを高速で走ったり、高速から低速に急減速することが可能になるのだ。しかし、この路面温度と雨では、走ったマシンのタイヤもすぐ冷えてしまう。雨により水溜りや浅い川のような流れもできてコースコンディションも悪化しており、セーフティーカー先導によるレースのスタートとなった。
通常は、予選順位にグリッドに並び、静止状態から開始となるのだが、セーフティーカーが入ってのスタートだと、追い抜きなどができず、順位を守ってコースを周回し、通常のレースに支障がないと判断されるとセーフティーカーがコースから外れ、マシンたちは走りながらスタートを切る(ローリングスタート)こととなる。
通常のスタートから1コーナーへの飛び込み、そこまでの順位争いなどが見ものなのだが、今回はまた違ったスタートシーンが見られることとなった。
しかも、この先導が20周も続く。唯一、予選1位でポールポジションを取った、ルイス・ハミルトン(マクレーレン)だけがペースをつくることができ、減速して先導車との距離をつくり、そこから一気に加速、など、通常のレースに戻った際の練習に励んでいた(敬称略。【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
注:ウイキペディアなどによると、河村隆一さんは1970年神奈川県大和市生まれ、日本工業大学付属東京工業高校を中退、1990年代はロックバンドの「ルナシー(LUNA SEA)」のボーカルとして活躍、一時、床に届くほどのロングヘアーだった。1997年にバンド活動を休止、本名でソロ活動をはじめ、その後、バンド活動を再開したが、2000年12月で再び活動を停止した。その後、ソロや新しいバンド「トゥールビヨン(Tourbillon)」として活動している。
自動車マニアでもあり、フェラーリ2台、ベンツ2台(Cクラスとジープ)、フィアットを所有している。
富士スピードウェイ



