コラム・レポート

03年F1で日本勢が善戦するも入賞止まり(24)

03年F1で日本勢が善戦するも入賞止まり(24)2007年イタリアGPで、マシンに乗り込むラルフ・シューマッハー。

【モータースポーツを拡げろ!】気になる日本チームの戦績だが、トヨタF1チームは9月9日の「イタリアグランプリ(GP)」で入賞できず、9月16日のベルギーGPに力を注ぐ。ホンダはバトンが8位入賞を果たした。

さて、2002年にF1初参戦を果たしたトヨタは、その年チームで争う「コンストラクターズ選手権」では9位タイという結果だった。一方のホンダは、2チームにエンジンを供給しており、「ジョーダンホンダ」が6位、「BARホンダ」は8位でシーズンを終了した。

「学習の年」と位置づけた初参戦の年を経験したトヨタは、2003年に「挑戦の年」としてF1に取り組んだ。この年、大きなルール変更が行われた。


2003年に投入された「TF103」と、空力特性をテストする風洞実験用2分の1モデル。

予選から決勝レースの最初のピットストップまでは、燃料の補給ができなくなったのだ。加えて、予選で走ったタイヤもそのまま決勝レースで使うことが義務付けられた。

このため、燃料を少なめにして車体重量を軽くし、予選で好位置を狙うか、燃料を多めに入れてレースの最初のピットストップを遅らせるかなど、コースやコンディションによって作戦もバリエーションが出ることとなった。

一方、選手権を争うポイントを獲得できる、入賞ランキングも6位までから8位まで変更された。このため、さまざまなチームにポイント獲得のチャンスが広がったのだ。

2003年シーズン、初の入賞を果たすダ・マッタ操るトヨタ。

トヨタチームは、チーム運営側のトップ人事も大きく変更する一方で、ドライバーには、2002年まで「BARホンダ」のマシンを操っていたオリビエ・パニスと、2002年のCARTチャンピオンに輝いたクリスチアーノ・ダ・マッタを起用する。

この年のトヨタのマシンは「TF103」だ。前年の「TF102」の弱点であった、ダウンフォースをより多く発生させるとともに、軽量化やエアロダイナミクス(クルマが走行中に受ける空気の流れによる力の総称)効果をより発揮させるデザインを追求して投入された。

チーフデザイナーであるグスタフ・ブルナーと、トヨタ側の設計責任者、高橋敬三のコーディネートにより生み出された。エンジンは軽量化とパワーアップを施した、V型10気筒の「RVX-103」を搭載する。

意気込んだトヨタであったが、ベテランのパニスは3戦連続でマシントラブルによりリタイアを余儀なくされた。ダ・マッタは2戦目から7戦連続で完走するも、入賞までの距離は遠かった。

一方、「BARホンダ」の1チームへエンジン供給を絞り込んだホンダは、第2戦のマレーシアGPでジェンソン・バトンが7位、第3戦のブラジルGPではジャック・ヴィルヌーヴが6位と、着実にポイントを重ねていく。

トヨタはようやく第5戦のスペインGPでダ・マッタが6位入賞を果たし、このシーズン初めてのポイントを獲得した(敬称略。【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
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