コラム・レポート

FSW加藤社長、ボランティアの運営でF1は準備万全(3)

FSW加藤社長、ボランティアの運営でF1は準備万全(3)「富士スピードウェイ独自のボランティアグループがあり、運営は全面的に委ねます。過去の国内レースで実績を作ってきただけに安心して任せられます」と語る加藤裕明さん。

【モータースポーツを拡げろ!特別版】富士スピードウェイを運営する富士スピードウェイ社長の加藤裕明さんへの3回目のインタビューです(3回に分けて掲載する3回目で、聞き手は平本真樹さんです)。

ーー富士スピードウェイでのF1の開催で、もっとも苦労した点は何でしょうか?
「レースの結果も気にはなりますが、運営する立場としては、無事に開催することが重要です。これまでにもっとも苦労したのは交通計画ですね。開催当日は富士スピードウェイには個人の車については規制しますので、駅およびその近辺に駐車場を用意し、そこから公共交通機関を利用してもらいます」

「JR御殿場線の御殿場駅や駿河小山駅、また、三島駅や沼津駅、小田急や富士急の駅からシャトルバスを運行しますし、自家用車で越られる方もかなり多いと想定していますが、サーキットまでは近隣の駐車場にクルマを停めていただき、バスで輸送します。このため、近隣の方々や団体、駐屯地を持つ自衛隊などから、駐車場用のスペースを提供してもらいます」

「最初は自治体も初めてのことだけに、ひじょうに厳しい対応でしたが、次第に協力してもらえるようになり、話がまとまると、こんどは担当者から、ぜひとも観たいのでチケットが手に入りませんか、と頼まれるんですよ。関心の高さがうかがえますよね」


運営も、ゴミ処理も対応

ーー決勝日で14万人、3日間で28万人の来場者が見込まれています。場内の整理も大変そうです。
「その点については、これまでの大きなレースで、着実に実績を積み上げてきています。お客様の場内の移動にも、通路を広げるなどして対応をしています。起きてはほしくないことですが、万が一レースで事故が発生した場合も、セキュリティカーのコースを2重で設置して、対応スピードを迅速にし、ヘリコプターも複数機用意して、近隣の医療機関にすぐ搬送できるような連携をとることになっています」

ーーゴミの問題なども大きいですね。
「会場の各所に、ゴミの回収場所を設け、分別回収を行います。ただ、モータースポーツを楽しみに来られるファンの方は、みなさん片付けに対する意識が高いんですよ。自分で持ち込んだモノをきちんと持ち帰るだけでなく、周囲のゴミも協力して片付けてくれるんですから」

「回収したゴミは、確かに相当な量になりますが、近隣の自治体にもご協力をいただき、迷惑をかけない形で対応をお願いしています」

本田宗一郎の墓に祈願
富士スピードウェイのゲートウエイ。F1開催時は近くの駅からレース場までバスが輸送し、自家用車は規制される。

ーーレースの運営も大掛かりになりますね。
「その辺は心配しておりません。実は、私たちはプロモーターで、運営主体はJAF(日本自動車連盟)公認の『富士モータースポーツクラブ』が担ってくれています。前身の『FISCOクラブ』から40年以上の歴史があるクラブで、ボランティアにもかかわらず、わざわざプライベートの時間を割いて、250人ぐらいのメンバーが自分たちで担当を決めて、コースでフラッグを振ったり、パドックを管理したり、場内アナウンス、救急車から救急ヘリまで管理するわけです」

「率先してレースの運営に携わっていただけるメンバーには会社経営者、医者、看護士、自衛隊、消防隊などさまざまな人がいて、週末にもかかわらず、無料で運営をしてもらえるんです。しかも、こんどはF1で、みなさん、さすがにF1を運営するのは初めての人ばかりで、絶対に成功させないといけないと気合が入っています。FSWの社員もメンバーに加わっていますが、ほとんどの人はこれまでに実績があるから準備万端で、このコースでF1が開催できるのは、とても喜ばしいことなんですよ」

ーーF1開催に向けての思いは?
「このコースの隣には冨士霊園があります。ここに眠るホンダの創業者の本田宗一郎さんのお墓があり、先日、お墓参りをして、無事にF1を開催できるように祈願してきました。とにかく、モータスポーツ最大のイベントを無事、最後まで終えられるーこれがいまいちばんの大きな願いですね」

「2006年まではコンサートとかいろいろFSWを盛り上げるため催してきたし、自動車メーカーには新車の試乗会などに利用してもらえるよう働きかけてきましたが、2007年はF1のために少し抑えているので、F1の後はまた積極的にFSWのためにいろいろな企画を行っていきたいと思っています」

富士スピードウェイ

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