コラム・レポート

FSW加藤社長、車を運転する楽しさで底辺拡大へ(1)

FSW加藤社長、車を運転する楽しさで底辺拡大へ(1)将来はゴーカートのコースも造って、子どもからレーサーを育成したいと夢を語る社長の加藤裕明さん。

【連載:モータースポーツを拡げろ!特別版】2007年9月30日、モータースポーツの最高峰、F1の決勝戦が30年ぶりに富士スピードウェイ(FSW)で開催される。レース場を運営し、準備を進める富士スピードウェイ社長の加藤裕明さんに取り組み状況などを聞いた(3回に分けて掲載します。聞き手は平本真樹さんです)。

ーーF1の開催に向けて、どのような取り組みを行っていますか?
「2000年にトヨタ自動車が資本参加してから、モータースポーツ振興、安全運転の普及・推進、若者への情報発信基地、という3つの事業テーマを掲げ、活動してきました。単なるレースを行う場、というだけでなく、クルマの魅力を伝え、クルマの楽しさを認識してもらう取り組みを進めています」


富士スピードウェイの全景。ライセンスを取得すれば、誰でもサーキット内を走行できる。

ーー具体的には?
「まずモータースポーツの振興に関しては4.5kmのメインコース以外にも、試乗会やカートレースに使用できるショートコース、コースを自由に設定できるジムカーナコース、ドリフト走行の競技や高い走行テクニックを学ぶドライビングスクールなどが行えるドリフトコースを造りました。モータースポーツにおいて経験豊かな関谷正徳さんや土屋圭一さんらに監修してもらっています」

「安全運転の普及・推進については、敷地内にトヨタが安全運転に関する公衆施設『モビリタ』を設置しました。車両開発のテストドライバーやプロのレース経験者が、運転を楽しむための基本となる、安全にクルマをコントロールする技術や心構えを学んでいただく場です」

「情報発信基地としては、レースの開催だけでなく、ジャズフェスティバルやロックフェスティバルの会場となったり、いわゆる『ママチャリ』のレース、マラソン大会などを開催しています」

ーー単に自動車レースを開催するのが、レース場だと思っていましたが。
「クルマに関する楽しさを知ってもらうのは、大きなレースの開催だけではないはず。自分で操作できるというのが、クルマの魅力なんです。例えば、来場していただいたクルマで、先導車の後をついてこのコースを走ってもらう体験走行なども行っています」

「このコースでスポーツ走行をしたい人には、『FISCOライセンス』(富士スピードウェイを走行するための許可証で、2時間30分の受講で取得できる)を取得してもらうと、富士スピードウェイでの走行会で実際に走ることができるんです」

「それと小さい頃からカートに親しんでもらいたいと考えています。F1のドライバーはほとんどが幼少の頃にカートから始めています。でも、日本ではミニカーやレーシングゲームで遊んでいる子どもが、運転免許を取るまではクルマに親しむ期間がほとんどないんです。このギャップを埋めるような場として使ってほしいし、それがモータースポーツを普及させるため、底辺拡大のため必要なんですね。カートは非常に簡単な構造なので、メカニックに興味を持つ子どもいます」

富士スピードウェイ

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