コラム・レポート
赤の発泡ワインもある「ゼクト」の奥深さ(31)
【平本真樹の探訪記】銀座松坂屋の裏にある「銀座ワイナックス」でドイツのスパークリングワイン尽くしの会が開かれました。
3番目は、ドイツでもっともよく使われるぶどうでつくられた「J・ノイス リースリング ブリュット」です。1つめに似たさわやかさの奥に隠れたまろやかさがありました。
その次は「ゼーガー シャルドネ エクストラドライ」です。シャルドネは白ワインをつくるぶどう品種としても知られていますね。酸が弱いため非常にやわらかい口当たりです。熟成した白ワインにさわやかな泡が入り混じっている、という雰囲気です。
5番目はやや色が濃いですね。「フランツ・ケラー ピノ ブリュット」です。口にあてると、少しリンゴのような香りがします。「甘い花の香りが広がりますね」とは、都内から来た、最近ドイツワインの魅力にとりつかれたという男性のコメントです。
この辺で、星野さんが取材や買い付けなどでドイツ各地をまわった際の写真などをまじえた「ゼクト講座」が開かれました。ゼクトはシャンパン同様、二重発酵をさせるんですね。まずワインをつくり、その後に発泡用の酵母をビンに入れてさらに発酵させます。
つくる段階で当然オリがでるので、ビンをひっくり返してビン口にオリを溜め、零下で凍らせてオリのかたまりを取り除く、という作業について初めて知ることができました。手間をかけてきちんとつくっていればそれなりの値段がする、それはゼクトも日本酒も、工芸品も変わらない真理なのでしょう。
次に登場したのは、「シュターツヴァイングート ヴァインスベルク ロゼエクストラトロッケン」です。フルートグラスに注がれる淡いバラ色は、心を華やかにさせてくれます。ふわりとした香りと口当たり。タイミングよく出していただいたチーズがうまくマッチします。
そして、驚きは赤いスパークリングワインです。「J・J・アデノイアー シュペートブルグンダー ブリュット」です。1998年モノがグラスに注がれると、10年近く閉じ込められていた泡と香りがやわらかく立ち上ってきます。
口に運ぶと、これまで飲んだゼクトとは違う、赤の独特な優雅な味わいが、舌や喉を楽しませてくれます。
この後にはゼクトの高級な正統派が登場します。「シュプライツァー リースリング エクストラトロッケン」、そして、ゼクト尽くしの締めは、デザートワインです。「メスマー セレクション ムスカテラー」で、甘く濃く、まさにデザートのような品です。
初めてゼクトを口にしたという名古屋から来た女性は「ドイツのお酒も奥が深いですね。こうやって教えてもらうと、楽しむ場面もいろんなシチュエーションがイメージできました」と笑顔で話していました。
当日、出された8種類を一度に楽しむ、というのは難しいにしても、これから暑くなる夏、シャンパーニュワインだけでなく、「ゼクト」に触れてみるのも面白そう。できればある程度の人数で、いろんな種類を楽しむのがおススメですよ!(銀座、大手町、丸の内、有楽町のエリア開発などに携わった経験もある、元月刊誌編集者の平本真樹さんが銀大丸有とその周辺エリアなどを独自の視点で取り上げ、不定期に書きます)。
銀座ワイナックス


