コラム・レポート
「人造乙女」は人間にも勝る存在感だった(1)
(ヴァニラ画廊で開催された展示会について、女性記者による探訪記を3回に分けて書きます)
銀座のヴァニラ画廊で6月18日から6月30日までちょっと変わった展示会が開かれた。「人造乙女博覧会」というタイトルで、一見するとよくわからないが、実は「ダッチワイフ」の過去の逸品を集めた展示会なのだ。
「ダッチワイフ」(最近は「ラブドール」という)の業界大手で、2007年に創立30周年を迎えた「オリエント工業」が主催した企画展で、会場にはところ狭しと「ダッチワイフ」が並べられた。
「ダッチワイフ」といえば、男性の性欲を満たすための等身大人形型アダルト商品で、口と性器の部分に穴が開き、空気で膨らまして押入れに隠す!ーというようなことを連想する人も多いと思う。しかし、「ラブドール」となると、ダッチワイフの超進化系であり、それは開発者達の並々ならぬ研究と情熱の成果の賜物で、例えれば「埴輪」から「リカちゃん」くらい進化したものなのだ。
画廊の森馨さんによると、今回の企画はオリエント工業に興味を持ったヴァニラ画廊が連絡すると、オリエント工業も話に乗ってきて画廊を2週間貸し切って前代未聞の「ダッチワイフ展」を実施するという話になったという。
実は私はかつて、オリエント工業の社長の土屋日出夫(つちや・ひでお)さんの本を読んだことがあり、前からオリエント工業が「ダッチワイフ」について改善を重ね、こだわっりをもってきたことも知っていた。「ダッチワイフ」をお客に郵送する時には、婚約指輪を付けるとか、人形に合った洋服や毛布も販売するなど、至れり尽くせりなのだ。
本を読んだ時、そんな「ダッチワイフ」の店があったのか!?と結構、衝撃を受けた。どんな題材でも、何かを追求している人がいるというのは、世の中は本当に面白い。
その後、生の「ダッチワイフ」を見たいとか、カタログが欲しいと思いつつも、上野にあるオリエント工業のショールームに行く機会もなく、なんとなく頭の片隅で諦めていた。
そういう人は意外と多かったんだと思う。違う?いやいや、多いでしょう。みんな言わないムッツリなだけで、興味はあるけど、一歩が踏み出せなかった人はいるはずで、女の子だって怖いもの見たさってもんがあるし、興味がある人もいたでしょ。
森馨さんに聞くと、開催中は大勢の老若男女が来場していたそうである。私がヴァニラ画廊に訪れた時も、エレベーターからは男女が降りてきたし、会場にはお客さんが途切れなかった。そこで見た感じでは、女の子は友達同士と話しながら、男の人は1人で見に来ている人が多いという印象だ。
入り口で受け取った冊子には、土屋日出夫さんや「ラブドール」を作っている職人へのインタビュー、今までの歴史、工場レポート、人形を愛好する作家などの文章が載っていて、とても読み応えあり!!
会場の「ラブドール」を見ると、人間が人間を間近で観察しているようで面白い。とにかく「ラブドール」達は人間にも勝る存在感で、なんだか不思議な空間を作り出している。
オリエント工業




