コラム・レポート

オリーブオイルで鮎も素材にするイタリアン(10-2)

オリーブオイルで鮎も素材にするイタリアン(10-2)1皿に鮎1匹が使われている「焼き鮎と枝豆のスパゲッティーニ」(1600円)。焼き鮎の香ばしさとほろ苦さが細めのパスタに絡み合う夏限定の一皿です。

【OL銀座食楽部】「日本人に生まれてよかった・・・」としみじみと感じる瞬間は、やはりその時期にしか食べることのできない旬のものを口にした「その時」ではないかと思います。

銀座松坂屋の裏手にある「ヴィノリオ(VINORIO)」のシェフ・大野充康(おおの・みつやす)さんは「特にイタリア料理という枠にはとらわれていません」と語りますが、まさに6月に解禁となった鮎が「焼き鮎と枝豆のスパゲッティーニ」に形を変えてテーブルに現れた時には「旬」を味わう喜びを感じました。


仔鳩もドルチェワインで香りを豊かにする
「茨城産乳飲み仔鳩のグリル ヴィンサントとローストカカオ風味」(羽2分の1で、2600円)。柔らかい胸肉、しっかりとした手羽とモモ肉、貴重な内臓、異なる食感と味わいを楽しめる一皿です。

「西瓜(すいか)の香り」がするといわれる鮎に、丁寧に皮と種を取り除いた加賀太キュウリの香りが重なり、「ディル」(魚料理に合うハーブ)とシチリア産のオリーブオイルがさらに青みを帯びた香りを誘います。

メインの「茨城産乳飲み仔鳩のグリル ヴィンサントとローストカカオ風味」は、イタリアの干し葡萄を原料にしたドルチェワイン「ヴィンサント」の豊かな香りが鼻を刺激し、甘味が口に広がります。

柔らかい胸肉はそのまま、少しクセのある内臓はローストしたカカオと一緒に。食べ方を楽しめるだけではなく、カカオの香りにより赤ワインとの「マリアージュ」が生まれます。

シェフ直伝のオリーブオイルの使い方
左からシチリア、トスカーナ、ロンバルディア、サルデーニャ産。世界の業界誌でも評価の高いオリーブオイルばかりです。

すべての皿に共通する巧みで印象深いオリーブオイル使い、オリーブオイルへの拘りをシェフ・大野さんに聞いてみました。「フルーティでしっかりとしているシチリア産のオイルは、海の幸が豊富な産地と同様に魚介類と合わせています。パンにつけても美味しいんですよ」と説明しれくました。これがあの前菜の「生ウニと夏野菜のガスパチョ」に使われていたオイルです。

「次にトスカーナ産。この地域のオイルはスパイシーで個性の強いものが多いので、僕は個性のある野菜などと合わせています」。

「それから、その隣のロンバルディア産はナッツぽい甘い味わいがあるので優しい味の素材に、サルデーニャ産は繊細で突出していないので、ベースやマリネに使っていますね」と、シェフ直伝のオリーブオイル講座で、イタリア料理への扉が開かれたようでした。

シェフの魚料理が食べたくなる!

細心の注意を払っていながらも、それを表に出さない料理とサービスは「ヴィノリオ」の最大の魅力と思います。料理にはシェフの人柄、カトラリー(cutlery、フォークやナイフやスプーンの総称)やナプキンの配置、店の空気感、そのすべてにスタッフの個性が反映されています。

あえてリクエストをするならば、「大野シェフの魚料理を食べてみたい」-そこだけでしょうか。あれだけ美味しい蒸し穴子や焼き鮎のパスタを食べれば、メインがあったらどんな?と期待をしてしまいますら。

取材日に見慣れぬイケメンを発見しました。聞けば、銀座の有名イタリアンで修業をした後、客として訪れていた「ヴィノリオ」に2日前に入店したのだとか。また新たな風が舞い込み、ますます楽しみなお店です(【OL銀座食楽部】は複数のフードアナリストの女性が実際にレストランを訪れ、そのレポートを毎週、金曜日から週末に掲載します。今回は自ら築地で仕入れも行うサロネーゼ薫子さんが書いています)。。

店名=「ヴィノリオ(VINORIO)」(中央区銀座6-12-14、松岡銀緑館6階、03-3569-2139)営業時間=17時から23時(L.O)、日曜定休。
ディナーのみ、アラカルトの他、突き出し・前菜・パスタ・リゾット・お肉料理・デザートのおまかせコース5000円がある。
URL=http://www.imp-inc.co.jp/vinorio/

日本フードアナリスト協会

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