コラム・レポート

後味が爽やかな赤の独ワインに至福のひと時(29)

後味が爽やかな赤の独ワインに至福のひと時(29)生産者3人を囲む。左から主催者の星野和夫さん、1人おいて、ケラーさん、クリプサーさん、フィリッピさん。

【平本真樹の探訪記】いま韓国では、空前のワインブームだとか。中国は元気な上海を中心に、ワイン熱が高まっていますね。

さて、ひるがえって日本ではどうか。銀座では今、ドイツワインが熱い!といってもホットワインではありません。みなさんは、ドイツのワインというとどんな印象をお持ちでしょうか。ちょっと甘い、白はいいけど赤はいまひとつ・・・というのが一般的かもしれません。

そんな先入観を覆してくれるが、銀座6丁目にあるドイツワイン輸入専門店の「銀座ワイナックス」です。ドイツワインの、特に高級品を中心にした品揃えをするこのお店のサロンで、「楽飲会」が開かれました。


9種類の赤を試飲
今回のワイン9種類がずらりと並ぶ。ビンの形やラベルもバラエティに富んでいる。

今回の注目は、何といってもずらりと並んだ9種類の赤ワインです。そして、その生産者と同席して話が聞けました。来日されたのは、バーデン地区「シュヴァルツ・アドラー」のケラーさん、ファルツ地区「ワイグート・クニプサー」のクニプサーさんと「ケーラー・ルプレヒト」のフィリッピさん。

ドイツではワインの生産地の中心は、フランス寄りの南西部です。ライン川やその支流に沿って並びます。来場者は、このお店の常連のお客さんたちです。ご夫婦でお見えの方や、若い女性や男性、そして日本に住むドイツ人の姿もあり、ワイン愛好家の幅広さを感じさせてくれます。

本格的にドイツワイン、しかもバラエティに富んだ赤ばかりを味わうのは初めてです。産地やブドウの品種、そして格付けなども初めて耳にすることばかり。その中で印象に残ったものをいくつか紹介します。

うまみが凝縮した「ドルンフェルター」
つまみにパテやハム、チーズやパンも供された。赤ワインには和の素材は合うのでしょうか。

「シュヴァルツ・アドラー」の中では、2002年の「フィリッピ・シュペートブルクンダー」がスパイシーさの奥に熟成された味わいが舌に広がり、後味はさわやか。この後味がさわやかというのは、今回、出されたワイン全体に共通する印象かもしれません。

「ケーラー・ルプレヒト」では、1996年の「フィリッピ・ドルンフェルター」が北方でもブドウの糖度が得られるように改良され、いまではドイツで2番目に使われる「ドルンフェルター」という品種で作られたワインで、柔らかい香りの後にうまみが凝縮したまろやかさが、じんわりと流れ込む感じです。造られて11年ですが、もう少し待ってから開けるのも楽しみな印象です。

品薄の「クニプサー」も
銀座ワイナックスの店舗外観。中の洗練さと外のひさしの大きな「ワイン」の文字のギャップが面白い。

「クニプサー」ではやはり、1999年の「クニプサー・キュヴェX」。ボルドーのワインのように、カベルネソービニオンとメルローをブレンドしています。やはり、濃いフランスワインの印象なのですが、密やかなさわやかさがやはりドイツの仕事なのでしょうか。カモ肉やチーズ入りハムなどが合いそうです。このワイナリーはドイツ国中から注目されていて、日本に入ってくるのはなかなかないとのことです。

わざわざこの会のために名古屋から参加した男性は「フランスやイタリアのワインとは違った面白さがあります。いま元気な名古屋も、いいドイツワインがこれだけ揃っているお店はないので、参加できて嬉しいです」と語っていました。

赤ばかりで少々口は飽きてしまうものの、どれも記憶と印象に残る特徴があり、ドイツワインの魅力が少しわかったような気がします。

まじめに品質管理や品種改良を重ねてきたドイツの人々の思いが込められていました・・・それほどお安くはない品揃えに、手を出せる財力が欲しいと感じた夜でした(銀座、大手町、丸の内、有楽町のエリア開発などに携わった経験もある、元月刊誌編集者の平本真樹さんが銀大丸有とその周辺エリアなどを独自の視点で取り上げ、不定期に書きます)。
銀座ワイナックス

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