コラム・レポート
タジン鍋と果汁酒を味わい、案納芋で締める(137-2)
【OL銀座食楽部】首都高速の下に広がるコリドー街にある「くらのすけ コリドー店」は大皿料理からスタートし、今では有機野菜を中心とした旬菜料理を提供している。
野菜をおいしく食べるというコンセプトは系列3店で共通しており、名物、定番メニューは一緒で、どの店舗でも手書きのメニュー表で家庭的な温かみを感じさせる。
名物以外のメニューはそれぞれの店の料理長の好みや得意ジャンルによって異なり、鍋とヘルシージュースが味わえるのはコリドー店のみだ。そこでお勧めのヘルシージュースとヘルシージュースを使用して作られたカクテルを試飲してみたいと頼むと「ビューティフルベジタブルミックスジュース」(580円)、「ビューティフルブルーベリー&クランベリージュース」(580円)、「ゴーヤラテ」(820円)の3種が運ばれてきた。
ベジタブルの中身はニンジン、セロリ、ほうれん草、かぼちゃ、ブロッコリー、レタス、パセリ、ピーマン、キャベツ、クレソン、レモン、ニンニクでどろっとしていて濃厚な味わいだった。
「ゴーヤラテ」は血液安定効果があるので、ビューティフルゴーヤとヤーコンジュースに、ミルクとカルーアを合わせたものだが、カルーアのコーヒー風味が加わることでゴーヤの苦みや独特の香りが緩和されており、思ったよりも飲みやすいことに驚いた。
「お酒を飲むっていうことが悪いことをしてるように感じてしまう時もあるじゃないですか?そこに身体にいい野菜を取り入れることでよいことと悪いことをハーフにして楽しむことができるは面白いと思って」と店長の飯塚明男(いいづか・あきお)さんはこの後も二日酔い防止効果のある野菜ジュースの入ったお酒などを紹介してくれた。
コリドー店限定の鍋料理は季節によって内容が変化する。秋から冬にかけては、「トマトもつ鍋」などユニークなもつ鍋を数種類、提供してきたが、3月からは春野菜を堪能できる「タジンなべ」が3種、用意されている。
「タジン」とはマグりブ(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどの北西アフリカ諸国のことをフランス語でこう呼ぶ)料理で使われる先端のとがった独特の形の土鍋のことで、この鍋を用いて作られる煮込み料理のことも総称して「タジン」と呼ばれている。
水の少ない砂漠地方で生まれたタジンは、本来ごく少量の水を加えるだけで、肉などの栄養価を損なうことなく、とてもやわらかく煮ることができるのが魅力なのだが、現在、この店で提供されているタジンは水分を多めにダブルスープで作られているメニューもある。
どの種類も試食してみたかったが、今回はカラフルで女性に人気があるという魚介と春キャベツの「海鮮トマトタジン」(1人前980円)を味わった。
魚介はあさり、イカ、エビ、トマト、野菜はキャベツ、ブロッコリー、新玉ねぎ、ニンジン、パプリカが入っていて、鶏ダシのスープで蒸した後、マッシュトマトを仕上げに投入している。
素材の味を生かして楽しめる料理として2009年秋から世間でブームになりつつあるタジンだが、この店では2008年からタジンをメニューに組み込んでいた。
今ではイトーヨーカ堂などでも手軽にタジン鍋を購入することができるが、当時は大きなサイズを手に入れることはとても難しく、2万円もかけて特注でつくってもらっていたという。
タジンは海鮮トマトタジンの他に春野菜のコラーゲン「美肌タジン」(1人前780円)と、茜地鶏(あかねじどり)と新じゃがいもの「レモンハーブタジン」(1人前880円)も提供されている。
こんどは季節野菜の料理をもう1品食べることになった。「おやじ味噌と有機野菜盛」(800円)という生野菜の盛り合わせで、築地にある「大祐(だいゆう)」という1990年代から有機野菜やズッキーニなどを販売してきた、西洋野菜の専門店から取り寄せたセロリ、きゅうり、ニンジン、ワサビ菜、ミニトマト、キャベツ、カブがたっぷり盛られていた。
おやじ味噌とはどんな味噌なのか、作り方や名称の由来をきくと、「実はおやじ味噌とはおいしい、やみつき、自慢のみその頭文字をとって名付けたんです」と飯塚さんが笑みを浮かべた。
料理長の長縄隆司(ながなわ・りゅうじ)さんが作り方を伝授してくれた。玉ねぎをアメ色になるまで炒め、青唐辛子とニンニクチップス、仙台味噌、白味噌、砂糖をいれて、全体的に火が通ったら、千切りの大葉をいれて約2週間寝かせてできあがる。
デザートは日替わりの中から「安納(あんのう)イモアイスの和風クレープ」(780円、アイスのみ680円)を選んだ。安納イモをマッシュにしてグラニュー糖とバターをまぜて荒熱をとったものをクレープでつつみ、鹿児島から取り寄せた安納イモアイスが添えられている。
ふかすだけで、砂糖などを加えなくても、スイートポテトのような甘味と、ねっとりとした食感が話題となっている安納イモのスイーツが味わえたのは貴重だった。
デザートは基本的に年中日替わりで、今回訪れた時はスフレチーズケーキ、かぼちゃのプリン、枝豆オリジナル特製クレープなどが用意されていたが、中でも「黒ごまアイスきなこがけ」が人気だという。
夏前には8丁目に4号店が開店する予定だが、こんごも旬野菜を使用した健康的なメニューで多くの女性の心身をいやしてほしい(【OL銀座食楽部】は働いている女性が実際にレストランを訪れ、そのレポートを金曜日から週末に掲載します。今回は趣味が食べ歩きと作曲という紗羅さんが書いています)。
注:「大祐」(中央区築地5-2-1、築地市場青果部、03-3543-0971)は1948年に創業、1981年から海外野菜の輸入をはじめ、1994年から有機野菜の扱いを増やしている。
店名=「くらのすけ コリドー店」(中央区銀座7-2-14、第26ポールスタービル7階、03-3289-0123)
営業時間=月曜日から木曜日は17時から24時(注文は23時)まで、金曜日は17時から4時30分(注文は4時)まで、土曜日は17時から23時(注文は22時)まで。定休日は不定休
席数は40席。
料金=料理は単品が300円から、コースは4000円から。
URL=http://homepage2.nifty.com/kuranosuke





