コラム・レポート
ジャムの瓶が悩み、四角は使い勝手が悪いのでダメ(85)
【ayaのパン流浪記】自分でも「たくさん食べている」ことを自覚してパンを食べ始めてから10年以上が流れました。パンの食べ方も変わり、最近では惣菜パンや菓子パンなどよりも、自分で自由に加工して食べられるシンプルな食事パンを選んで購入するようになっています。
最近のマイブームは「チーズ」と「ジャム」などのように、2種類以上組合せてパンに付ける食べ方です。とくに淡白な味のフレッシュチーズとジャムやハチミツを合わせるのは、食べたら止まらなくなる魅惑的な組合せです。
1種類だけでも十分おいしいジャムやハチミツが、チーズを加えることによって風味が増して2倍おいしく感じられます。ブルーチーズとハチミツ、リコッタチーズとしょうがハチミツ、国産のフレッシュチーズにリンゴとコショウのジャム、カッテージチーズにマンゴージャム・・・等々、酸味と甘み、もしくは辛味と甘みの組合せを好んで食べます。
食べ合せを楽しむ組み合わせを紹介します。表参道の「デュヌラルテ」のバゲッドに目白の「アトリエ・ド・フロマージュ」のブルー・ドゥ・シェーブルです。ヤギ独特のチーズに青カビの個性的なチーズ、味の濃いブルーベリーのハチミツを合わせました。
昔は大嫌いだったブルーチーズやヤギのチーズも、ジャムやハチミツとの組合せを覚えてからは進んで口にするようになりました。ジャム自体がパンを食べ始めた頃はほとんど使わないアイテムだったので、人間変われば変わるものですね。
こうした食べ合わせを楽しむようになって以来、わが家の冷蔵庫には中途半端に空いたチーズやジャムの入れ物でいっぱいです。やはり家族には嫌われますので、最近は工夫してなるべく効率的に入れるようにジャムのビンの大きさを揃えてみたりしています。
ジャムのビンの形態にこだわるようになって気がついたことがあります。小洒落(こじゃれ)たお店に多い、四角いジャムのビンはジャム向きではないということです。
見た目には、洗練された雰囲気がしますし、丸と四角のビンの中に同じものが入っていたならば、私も四角を選んでしまうかもしれません。冷蔵庫の中で保管するにも、無駄な空間がなく、むしろ丸型よりよいとも言えますが、食べることを考えたら絶対に丸です。
なぜならば、四角い瓶の上部の角からジャムがどうやっても取れないからです。少なくともスプーンを使って取ることは角度からしてムリです。
広尾にある、カフェを併設したパンとスイーツの人気店で、清水(きよみず)の舞台から飛び降りた気持ちで購入したひとビン1000円もするジャムも、四角いビンの中に取り残しがたくさんあり、悔しくてなりません。
ハチミツのように、ゆるい液状のものに使うには四角いビンはまだいいかもと思われるかもしれませんが、ある程度粘度があって引力で下に落ちてこないものには使い勝手がひじょうによくないです。おいしいものが詰められていればいるほど、そう思います。
私が購入したのはマンゴーのジャムでした。口に入れたらとろけるうまさ、鮮(あざ)やかなオレンジ色のジェルを水道水で流す時の切ない気持ち・・・何とも表現のしようがありません。パンを中に入れて拭(ぬぐ)おうかと思って試してみましたが、ビンの口が小さくて、入れられなかったので泣く泣く諦(あきら)めました。
感情的ではなく、「エコではない」などと、環境面から捉えた方が格好よく論じられるかもしれません。ちなみに四角いビンを洗う時には、丸よりたくさん水を使うことになります。
でも、そんな正論を吐いている心の余裕はありません。何よりも、「私の精神衛生上よろしくない」ので、四角いビンをジャムに使用するのはもってのほかです。
これから行きたいと思っている、世田谷区にオープンした某店のジャムのビンも四角でした。材料にこだわって、一からお店で作っているジャムなので、やはりひとビン1000円くらいしていました。買うべきか、買わざるべきか、今、ものすごく悩んでいます(【ayaのパン流浪記】は首都圏で暮らすOLのayakoさんが不定期にパンを切り口にエッセイを書いています)。
店舗情報
「テオブロマ(TEOBROMA)広尾店」=東京都港区南麻布5-16-13、03-5798-2946
「アトリエ・ド・フロマージュ」(本社)=長野県東御市新張504-6、0268-64-2767
「デュヌラルテ(d'une rarete)」=渋谷区神宮前5-10-1、ガイヤ(GYRE)地下1階、03-5468-0417
「株式会社 紀ノ国屋」(本社)=東京都武蔵野市吉祥寺本町3-7-3、0422-28-0030


