コラム・レポート
素材を引き出す滋味豊かな揚州料理店(1-1)
【OL銀座食楽部】「今日は銀座で中華料理!」という日に、相手を選ばずに安心して行けるお店が三笠会館の「揚州名菜 秦淮春(ようしゅうめいさい しんわいしゅん)」です。
銀座らしさが漂う並木通りに面し、1階にはイタリアンバール、地下には名バーテンダーの稲田春夫さんが迎えてくれる「Bar5517」があるので、バールで待ち合わせてからお食事して、食後に地下のバーで一杯・・・という流れがとてもスマートに行える非常に使い勝手のよいお店です。
別フロアへの予約はもちろんのこと、時にはスタッフが荷物を持って次のお店まで、まるでホテルのようなサービスを受けながら、上品で洗練された「揚州料理」を居心地のよい空間で味わうことができます。
「原汁原味」が基本
「素材の味を十分に引き出したものをそのまま使う『原汁原味(ゆえんず・ゆえんうぃい)』という言葉を胸に料理と向き合っています」-副料理長の外崎登志雄(とのざき・としお)さんが語る通り、揚州料理は素材本来の味を引き出した優しい味わいで、野菜や肉のうまみが溶け出したスープ、煮込み、魚介類(特に海老)を使った料理はコースやグランドメニューの中でもひときわ印象に残ります。
調理技術の他、栄養学や食材に関する知識・薬膳など幅広い知識を持つシェフ達を取りまとめる総料理長の居長龍(きょ・ちょうりゅう)さんは「特一級厨師(とくいっきゅう・ちゅうし)」という資格をもつ料理人で、取得に15年もの歳月がかかり、なんと論文まで提出するという中国料理国家資格の頂点です。
居長龍さんの下で、単にあっさりしているのではなく、素材を生かしながらも濃淡はしっかりと表現されている滋味豊かなバランスの取れたお料理が生まれます。ただ、この日は総料理長は中国出張中ということで、説明して下さったのは副料理長の外崎さんでした。
オススメは「皮付き豚スネ肉」
メニューでお勧めは「皮付き豚スネ肉のはちみつ氷砂糖煮」です。こちらは皮と身の間に美味しさが凝縮されていて、味を含ませながらじっくり煮込まれたプルップルのお肉とタレの絡みが最高です。甘みを抑えたタレや他の部位を使った豚肉の煮込みもあり、どれも甲乙付けがたい美味しさがあります。
次に「大正海老の炒め 五種野菜添え」も柔らかいだけではなく、しっかりと海老本来の歯ごたえを残しながら、口当たりもよく仕上げた、まさに素材を生かした調理の一品です。そして、ぜひとも味わってほしいのが、ぜいたくにも10種類の具材の入った名物「揚州チャーハン」です(【OL銀座食楽部】は複数のフードアナリストの女性が実際にレストランを訪れ、そのレポートを毎週、金曜日から週末に掲載します。今回は自ら築地で仕入れも行うサロネーゼ薫子さんが書いています)。
注1:揚州は江蘇省にあり、2000年以上の歴史をもつ古都。「揚州料理」は江南地方の料理の1つであり、中国では「京菜(北京料理)」、「川菜(四川料理)」、「広菜(広東料理)」と並ぶ4大名菜の1つとされている。
注2:「特一級厨師」は中国労働部労働局の監査によって与えられる料理人(厨師)を対象にした国家資格で、「五級」からはじまり「一級」の上に「特三級」など8段階あり、その最高峰が「特一級」で、2年に1回しか試験がないので、15年もかかる。居長龍さんは1992年に「特一級」を取得し、1998年に「秦淮春」の総料理長に就任した。
店名=揚州名菜 秦淮春(中央区銀座5-5-17、三笠会館本店4階、03-3571-8181)
営業時間=ランチ11時30分から16時、ディナー16時から23時、年中無休
URL= http://www.mikasakaikan.co.jp/
日本フードアナリスト協会



