コラム・レポート

庚寅の2010年は足元を見直し、揺るぎない軸形成を(51)

庚寅の2010年は足元を見直し、揺るぎない軸形成を(51)2010年の干支について、文字を書きながら「庚と寅の重なった2010年はおそらく大変な年になるだろう」と語るお仏壇のはせがわの会長、長谷川裕一さん。

【暮らしの中の仏教・言の葉集】2010年はどんな年だろうか。干支(えと)の「庚寅(かのえとら)」から考えてみよう。

「庚(かのえ)」は糸巻の芯棒(しんぼう)を表す象形(しょうけい)文字である。芯棒であるところから、硬い・強いといった意味を表す。

つまり、「庚」の2010年は、すべてにおいてしっかりと基礎を築き、芯をつくっていく年なのだ。これまでのことをいったんご破算にし、組み立て直すことも必要かもしれない。しかし、そのときに中心がブレない、「ああでもない、こうでもない」と言うのではなく、自分がブレないということがもっとも大切である。

それは政治にも言えるだろう。揺るぎない国家軸を持つことが大切なのだが、そのためには、日本の国の歴史や伝統、生い立ちをしっかりと押さえて、そのうえで革新していくことが必要になる。


しかし、現在の日本には、残念ながらわが国の歴史や伝統を顧みることなく、見かけだけを繕おうとする風潮がある。芯がないから、すぐにフニャフニャと壊れてしまう。そして、そこを他の国に見抜かれて、厳しい要求を突きつけられたりするのだ。すると、きちんとした対応ができず、「ごもっとも」となってしまうのも、しっかりとした軸がないからである。

経営においても然(しか)り。何のために会社を設立したのか、何のために経営するのか、この会社の使命は何なのか、創業の精神、経営理念といったものを再確認し、時代に合わせつつ改めて構築することが必要である。

来る2010年は、しっかりとした芯棒をつくる、それに注力しよう。国家においても、会社においても、個人においても、それが来年のキーワードとなる。

「寅(とら)」はもともと「いん」と読む。それをトラに当てた。「寅」は弓を両手で持ち、矢をまっすぐ伸ばして射る姿を表す象形文字である。

この日は、福岡県で予定があったが、キャンセルして東京に駆けつけたら、9人の作家による「祈りの継承展」の最終日。「全員の先生が店に来ていただいており、みなさんにごあいさつできたし、作品を購入するために、知り合いの経営者の方にも来ていただけ、ご説明もできて本当によかった」と喜んでいた。

一方、トラは背筋をすっと伸ばし、居ずまいを正しているように見える動物だ。その堂々とした様が矢をまっすぐ伸ばす形につながり、「寅」をトラと当てるようになった。「ウ冠」は家の中を表す。すなわち、家の中で居ずまいを正して謹(つつし)むの意なのだ。

現代は激動の時代だが、目先のことに惑わされず、居ずまいを正し、謹んで生きることが肝要である。キョロキョロしない、何があっても慌(あわ)てない、正しく真実の姿を見極める。それが「寅」の意味するところだ。

「庚」と「寅」の重なった2010年は、おそらく大変な年になるだろう。60年前の1950年を思い起こすと、「朝鮮動乱」があった。それを考えると、新たに迎える年も、何かと振り回される1年になるかもしれない。だからこそ、振り回されないようにしよう、居ずまいを正そう。そんな年なのだ。

何のために会社を興したのか、何のためにこの会社は存在するのか。何のために生まれ、何のために生きるのか。本質をしっかりと見つめ、周囲の変化に振り回されず、状況を正しく判断して、正しい考えのもとに正しい手を打つ。そんな1年を過ごしていただきたいと願っています(【暮らしの中の仏教・言の葉集】はお仏壇のはせがわの会長、長谷川裕一さんが日常生活の中に根づいている仏教について話したことをまとめています)。
お仏壇のはせがわ銀座本店

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