コラム・レポート
ウマが合う友と食べるパンこそ最高の味わい(74)
【ayaのパン流浪記】ドイツには「ブロートツァイト(brotzeit、パンを食べる時間)」という言葉があります。そのくらい、ドイツ人はパンをたくさん食べるし、パンを食べる時間を楽しんでいるという証拠なのだそうです。
パンを食べる時間を楽しむ、これに関して私はドイツ人にも負けない自信があります。ほぼ3食パンの上、パンと一緒に食べるチーズやペースト、ジャム、ハチミツなどは自宅だけでなく、会社にも常備(?)していますし、前にも書きました(71回目)が、車の中にまでパングッズを積んでいます。
朝は早めに起きて、食事になるべくたくさんの時間を充てるようにしています。それだけでも大変ですが、特に気を使うのは、パンが焼きあがったら、すぐに食べられるようにすることです。
冷蔵庫からジャムやチーズをパンに合わせて選び、冷たすぎないようにしておきます。必ず複数の種類を選ぶので、スプーンやバターナイフも数本使うことになり、もし、洗い忘れて出かけてしまうことがあると、後で大変なことになります。
平日の昼は基本的に会社で食べますが、時にはハムやペースト、野菜など具材を持って行ってサンドイッチを作ったりする日もあります。チーズがなくなっている時には、午後からいく銀行への用事を前倒して、午前中から外出し、ついでにスーパーで買い出しします。
たまに会食で和食の日などは、なんとなく物足りなくなることは分かっているので、おやつの時間に食べられるようにパンを家から持参して、15時にこっそり焼いて食べたりします。
夜は、おかずは大体和風メニューなので、家族とそれを食べ終わった後に、ひとりでまったりとパンタイムです。トースターも食卓もひとりで自由に使えるので、この時間がいつも生活の中で一番ぜいたくなひとときかもしれません。食後とあって、デザートとして食べるので、朝同様にジャムやチーズは欠かせません。
このように、パンを食べる時にはチーズやペースト、ジャム、ハチミツといった「パンのお供」は不可欠なんです。かつてはただクリームチーズを塗って食べていることが多かったのですが、それにシナモンとレーズンをブレンドすると、おいしさが倍増すると知ったので、そのときから組み合わせを楽しむようになりました。今では封の開いたジャムのビンがいくつも冷蔵庫に並んでいて、家族から邪魔扱いされることもあります。
でも、パンを食べるときに一番うれしいのは「一緒に食べる人」がいることです。それも「一緒に同じものを『おいしいね』と共感しあえる人」が理想的です。幸いにも3年ほど前からそんな友人に恵まれて、おいしく楽しい時を重ねることができています。
その友人は最初はパンにあまり関心がなかったのですが、といって嫌がらないので、あちこち連れ回しているうちに、どこかに行くとなると私よりも先にパン屋さんのことを調べてくれたり、店の中で細かい点に目がいくようになったりと、今やとても心強い存在です。
それでわかったことがあります。その友人がいない時に、いつも一緒に行くパン屋さんでどうしても食べたい限定パンがあり、違う人を誘って出かけて購入したのですが、そのパンの味わいがいつもと違うんです。普段はとてもおいしいのですが、このときは「まずい」というわけでもなく、ただ、何かいつもほどの感動が欠けているんです。
「誰と食べるか」という状況が違うだけで、こんなにも味わいが変わってくるのかと改めて痛感しました。パンとチーズとワインは最適な組み合わせといわれていますが、私にとってはパンとチーズとジャムと、そして「大切な友人」が切っても切れない関係にあるようです(【ayaのパン流浪記】は首都圏で暮らすOLのayakoさんが不定期にパンを切り口にエッセイを書いています)。
店舗情報
「レストランメゾンドファミーユ(Restaurant Maison de Famille)」=東京都豊島区西池袋3-36-20 、サンホワイトマンション1階、050-1559-6393
「ラ ノッテ ビアンカ(La Notte Bianca)」=千葉県船橋市本町7-12-11、047-455-3787
「ヴィエイユ ヴィーニュ(Vieille Vigne MAXIM'S de Paris)}=東京都港区赤坂5-3-1、赤坂ビズ(Biz)タワー マキシム・ド・パリ2階、03-5545-4500



