コラム・レポート

「ドラッグ天国殺人事件3」(4)アンリとソフィの隠れた接触(55)

「ドラッグ天国殺人事件3」(4)アンリとソフィの隠れた接触(55)ジャマイカのレゲエを代表するボブ・マレー(Bob Marley、1945-1981)はとかく大麻の噂が絶えなかった音楽家の1人だ。

(「ドラッグ天国殺人事件3」は連作のオムニバス方式の第3弾で、5回連日で掲載します。第1弾は7月3日から6日、第2弾は7月26日から30日まで掲載しました)
【印度の玉手箱】ご多分に漏れず、ロッキーも彼女を狙っていた。アンリはセシル以来の胸のときめきを覚えたが、母親に気兼ねして、少女の求愛を知りながらも、無視し続けるしかなかった。ソフィが強引なライバルの手に落ちやしないかとはらはらし通しだったが、未成年者というのもいささか気になった。手をだすと、やばいような気がしたのだ。

カトリーヌは今年もバカンスを丸々アンジュナで過ごす予定らしく、少女はデアデヴィルを行きつけとしていたため、毎日のごとく顔を合わせたが、本音と裏腹に冷淡にあしらい続けた。

一方のソフィは母がアンリを買った事実などいっこうに頓着(とんちゃく)せず、相変わらず熱い眼差しを向けてくるのだった。


ある日、アンリの前に絶好のチャンスが訪れた。母親の姿がここ2日ほど見えないと思ったら、どうやらソフィを残して単身小旅行に出たらしいと知った。もっとも、娘の監視は信頼しているガイドに託して行ったため、トミーという野暮ったい30男が常に付きまとって離れなかった。アンリははすかいのテーブルに座った少女に声をかける機会をそれとなく窺いながら、目前の客と親密げに話しこむそぶりを取り続けた。

ソフィはいらだっているようだった。ガイドのトミーに突然八つ当たりしたかと思うと、レストランから追放し、マネージャーのエディと仲睦まじげに話し出した。それからまもなく、店内に筒抜けとなるほどの大声で、トイレと言い置いて、立ち上がった。店を出る直前、こちらにちらと意味深な目配せを送ってきた。紛れもなく、誘う女の目つきだった。アンリはむずむずする衝動を抑えきれず、やや間をおいた後で、客に失礼といって立ち上がった。

案の定、裏の簡易トイレの陰で、少女は待っていた。アンリはすかさず周囲に視線を張った後で、奥の茂みへと誘導した。これまで抑えていた欲情を一気に解き放ち、飢えたけだもののように狂おしく抱きすくめ、唇を貪欲(どんよく)にむさぼった。

Tシャツの下に手を差し入れ、豊満な乳房をもみしだくと、絡ませた舌の間で少女の息遣いが荒くなった。空いているほうの手で短パンの股の隙から指を挿入し、湿った箇所をこね回すと、少女は舌を外してむせび泣くようなうめきを漏らした。

アンリの股間はもうパンパンだった。少女が自らホックを外し、もどかしげな手で短パンを引き摺り下ろそうとしたそのとき、「ソフィ」との呼び声が聞こえた。どうやらマネージャーのエディのようだった。あわてて離れたアンリはとっさに身を隠した。闖入者(ちんにゅうしゃ)が退散した後、ささやくような早口で1時間後の逢引場所を指定し、何食わぬ顔で、店に戻った。ソフィはそのまま、とんずらした。
(【印度の玉手箱】はインドで暮らすモハンティ三智江さんがエッセイやショートストーリーを不定期に書きます)
ホテル・ラブ&ライフ

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