コラム・レポート

「ターミネーター4」でCG出演するシュワッツィー(8)

「ターミネーター4」でCG出演するシュワッツィー(8)6月13日から一般公開中の「ターミネーター4」((C) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved)。

【ケイシーの映画冗報】「アメリカのカリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)知事は7月1日に財政非常事態宣言を発した。同州の財政赤字は今後2年間で240億ドル(約2兆3200億円)に達すると見込まれており、2日からは借用書を発行する状況となっている」

ご本人としては、あまり楽しい発表ではなかったと思います。シュワルツェネッガー(以下、アメリカでの略称である「シュワッツィー」とします)といえば、かつてはボディ・ビルダーの頂点をきわめ、その後は映画スターとしても活躍、現在はカリフォルニア州の知事として、精力的に活動しています。

かれが記者会見やレセプションなどで言う決めゼリフ「アイル・ビー・バック(I'll be back)」(また戻ってくる)は代表作である映画「ターミネーター」(The Terminator 、1984年) での発言でした。


1984年に公開された第1作「ターミネーター」(JOYCERUDOLPH65/ORION/TheKobalCollection/WireImage.com)。

人間の容姿をもった殺人マシンであるターミネーターは、劇中ではこうつぶやいたのち、警察署にアクセル全開の乗用車で突っ込み、数十人の警察官を相手に大銃撃戦を展開、警察署を文字どおりのターミネイト(抹殺)してしまいます。

現在公開中の「ターミネーター4」(Terminator:Salvation、T4)でも、シュワッツィーは「ターミネーター」時代のお顔でCG出演(首から下はおなじオーストリア出身のボディ・ビルダー、ローランド・キッキンガー=Roland Kickinger=なので、まさに、ボディ・ダブル)、主役たちを限界ギリギリ、というところまで苦しめています。

「ターミネーター」は640万ドル(約6億4000万円)の低予算映画ながら、アメリカ国内だけで制作費の6倍以上(約3800万ドル) の興行収入をあげ、1991年の続編「ターミネーター2(Terminator 2:Judgment Day、T2)」での制作費は1億ドルと大幅アップ、作品も全世界で5億6000万ドルの大ヒットとなり、日本での配給元では、ハンパではない額のボーナスが「大入り袋」的に支給されたとのことです。

1991年に公開された「ターミネーター2」(TriStar/Photofest/MediaVastJapan)。

2003年に12年ぶりに制作された「ターミネーター3(Terminator 3:Rise of the Machines、T3)」では1億8730万ドルと制作費はさらに上昇、世界興収も4億3000万ドルと低い数字ではなかったのですが、作品への評価はあまり芳しいものではありませんでした。

一説には政界入り(この直後、カリフォルニア州知事に当選)によって、メディア界から「ほぼ過去のひと」になってしまうことを恐れたシュワッツィーが、俳優活動の休業前に1本、最新作にして代表作を確保しておきたかったため、制作過程の不利を承知で進めた、とも言われています。

これら3作品をひとくくりとし、新たな3部作の第1弾として制作された「T4」ですが、前作までの作品世界をかなり踏襲しており、旧作の知識があれば、思わずニヤリ、としてしまう点があるので、いくつか、挙げておきます。

2003年に12年ぶりに公開された「ターミネーター3」((C)2003 IMF Internationale Medien und Film GmbH & Co.3 Produktions KG)。

「ターミネーターの金属骨格の腕」。第1作で破壊されなかったターミネーターの腕は、「T2」に前作との接点として登場しました。「T2」と「T3」でもターミネーターの左腕の金属骨格があらわになります。では本作では?

「人類抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーの顔のキズ」。「T2」(2029年)と「T3」(2033年?)のオープニングに登場するジョン・コナーにある顔のキズ。この原因が2018年を舞台とする本作であきらかに。

「ターミネーターの燃料である水素電池は強力な爆薬として利用できる」。「T3」ではシュワッツィー演じる善玉ターミネーターが、追って来る敵のターミネーターT-Xをこのテクニックで爆殺します。

「シリーズを通じて、作品の舞台はロサンゼルス市が中心となっている」。言うまでもなく、ロサンゼルスはカリフォルニア州にあります。

なお、「ターミネーター4」の原題にある「サルベーション(Salvation)」には、「救済者・救済手段」という意味があります。毎年末に募金活動の「社会鍋」で知られる「救世軍」(プロテスタント系キリスト教)の英語名も「サルベーション・アーミー(Salvation Army)」です。

カリフォルニア州の財政も「サルベーション」して欲しい、と願っている人物は少なくないのでしょう。知事を筆頭として。次回も、「ターミネーター」シリーズを取り上げる予定です(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します)。
ターミネーター4

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