コラム・レポート
銀座の宇宙酒はまろやかで柔らかかった(19)
【MASAKI'sぶらり探訪記】宇宙酒って、ご存知ですか?2006年に世に出た宇宙酒、今年が2年目になります。これは、高知の日本酒の蔵元が、ロケットに積み込んで宇宙を旅行した酵母を使って、高知県産のお米でつくった日本酒なんです。
ボージョレーヌーヴォーのように解禁日も決まっており、3月21日です。何か、深いいわれがあるのでは、と思いきや、ロケットで打ち上げる時のカウントダウン「3、2、1、発射!」にちなんだというから、冗談のようなホントの話です。
高知の18蔵元が、それぞれにつくった宇宙酒が、期間限定で銀座でも味わえます。「夢酒(むっしゅ)みずき」(03-5537-1888)が、その舞台です。
交詢社ビルのはす向かいのビルの地下へ、階段をおります。と、宇宙酒のポスターが飾られています。扉を開け入店すると、そこは天の川が、流れ星がきらめいて…という趣向のお店ではありませんので念のため。しかし、店内の音楽は「スターウォーズ」など、宇宙に関する映画音楽で満たされてます。
ホテル事業を展開する会社がレストラン事業も手がけていることになり、全国各地からのおいしい食材とお酒が味わえる店として銀座では知られた存在です。「宇宙酒バー」とは、このお店で3月21日から4月20日まで、お酒リストに宇宙酒18種も加わった、ということなのだそうです。
さて、宇宙酒をさっそくオーダーしました。今回は司牡丹(つかさぼたん)と土佐鶴(とさづる)を試してみました。星、そして、ほうき星(彗星)をイメージしたカクテルグラスに注がれた宇宙酒は、心なしか輝いています。土佐の日本酒というと、淡麗辛口な印象がありますが、両者ともまろやかで柔らかい香り。うーむ、これも宇宙を体験した酵母がなせるワザなのでしょうか。
食事のメニューをみると、通常でもかなり豊富ですが、宇宙酒バーにあわせて特別メニューをシェフが考案したとのこと。「火星人のカルパッチョ」、「エイリアンのチリソース」、「バルタン星人の爪フライ」、そして「宇宙戦艦トマト」。名前を見るだけでも、思わずニヤリとなり、ノリのよさが感じられます(それぞれ正体は、タコのカルパッチョ、ソフトシェルクラブのチリソース、カニ爪フライ、トマトとあおさ海苔のゼリー寄せサラダ仕立て)。
味の方もなかなか。あ、宇宙戦艦トマトだけは…トマトとあおさ海苔の組み合わせが少々微妙でしたが、ここまでやりとおした心意気には拍手です。
宇宙酒の話、もともとは高知県内の有志が「宇宙ロケットに何か載せて面白い商品をつくろう」という酒飲み話からスタートしたものだそうです。「高知県宇宙利用推進研究会」というモノモノしい名前が付けられていますが、通称「てんくろうの会」、てんくろう…天を食らうから、土佐弁で大ぼら吹きの意味です。それが、ロシアのソユーズで実際に打ち上げられ、宇宙旅行をしてきたというのですから、さすが坂本龍馬を生んだ土地だな、と感心するばかりです。
2007年の宇宙酒が、宇宙で分裂し生まれ育った生酵母を使っているそうです。宇宙旅行した酒米もあるのですが、植え付けて増やしているところで、デビューは2、3年後でしょうか。
銀座で宇宙酒を試してみませんか? 無重力の「宇宙酔い」が、楽しめるかもしれませんね(銀座、大手町、丸の内、有楽町のエリア開発などに携わった経験もある、元月刊誌編集者のMASAKIさんが銀大丸有とその周辺エリアを独自の視点で取り上げ、不定期に書きます)。
夢酒みずき




