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近代美術館でゴーギャンの遺言「我々はどこから」初公開
東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園3-1、03-5777-8600)は2009年7月3日から9月23日まで1階企画展ギャラリーで「ゴーギャン展」を開催している。
フランスの画家、ポール・ゴーギャン(Eugene Henri Paul Gauguin、1848-1903)がタヒチの孤独な中で完成させた畢生の大作「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」(1897年から1898年に制作)=写真=を日本初公開するなど、国内外から集め油彩、版画、彫刻など約50点を展示し、「混迷する現代に向けられたメッセージとして、あらためてゴーギャンの芸術を捉えなおそう」(東京国立近代美術館)という展覧会だ。
会場は3章構成で、第1章が「内なる『野性』の発見」、第2章が「熱帯の楽園、その神話と現実」、第3章が「南海の涯(は)て、遺言としての絵画」に分けている。
第1章は株式仲買人としての成功を捨てて、画家への道を歩む決意を固めたころの作品で、印象主義の影響が色濃く残る初期のスタイルから脱して、ブルターニュ地方との出会いによって「形態を単純化し、縁取りのある平坦な色面によって堅固かつ装飾的な画面を構成するスタイル」(東京国立近代美術館)を確立した時期を扱う。
第2章はヨーロッパ文明に絶望したゴーギャンが1891年に旅立ったタヒチで制作した作品を紹介する。ゴーギャンはヨーロッパ文明の流入によって失われつつあるマオリの伝統に思いを馳(は)せながら、「原初の人類に備わる生命力や性の神秘、地上に生きるものの苦悩を、タヒチ人女性の黄金色に輝く肉体を借りて描き出した」(東京国立近代美術館)という。
第3章はタヒチで貧困や病気に悩まされたゴーギャンが1893年にパリに戻るものの、作品が売れず、ポール・セザンヌ (Paul Cezanne、1839-1906)からは「支那の切り絵」(ウイキペディア)と批判されるなど、パリの美術界に幻滅し、1895年にヨーロッパに戻らない覚悟で再びタヒチに移り、健康状態の悪化と財政がひっ迫する中で、制作した晩年の作品を展示する。
ポール・ゴーギャンは1848年フランス・パリ生まれ、父親が共和系のジャーナリストで、母親が貴族の血を引く女性解放運動家の娘だったこともあり、2月革命後の新政府による弾圧を恐れて一家でペルー・リマに移り住んだ。1855年頃に帰国し、オルレアンの神学校を経て、1865年に船員として商船に乗り、1872年にパリで株式仲買商となり、デンマーク人女性と結婚、作品収集の一方で、趣味で絵の制作をはじめた。
1879年に第4回印象派展に出品し、1886年の最後の印象派展まで毎回出品した。1883年に株式仲買商を辞し、画家を志し、1886年にブルターニュ地方のポン=タヴェンに滞在、1887年にパナマ、マルティニーク島を旅行し、1888年にアルルでオランダ人画家のゴッホ(Vincent van Gogh、1853-1890)と共同生活し、ゴッホの「耳切り事件」の後、パリへ戻り、1891年にタヒチにわたり、1893年まで滞在し、パリに帰国した。
その後、パリにてタヒチで制作した作品展を開催するも絵が売れず、1895年にタヒチに戻り、1897年に貧困と絶望のなかで、遺書代わりに「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」を仕上げ、自殺するも未遂に終わる。1901年にさらに辺鄙(へんぴ)なマルキーズ諸島にわたり、1903年に死去した。
開館時間は10時から17時(金・土曜日は20時)、休館日は月曜日。ただし、7月20日は開館、7月21日が休館。料金は一般1500円、大学生1000円、高校生は600円、中学生以下無料。(2009-07-03)
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